Vガンダム 8話「激闘!波状攻撃」

カテジナザンスカールに合流したが、そこもまた彼女の理想郷ではなかった。ファラ・グリフォンからは「女は信用できない」と言われ、ピピニーデンからは召使い扱いされる。そしてこの8話では彼女を連れて帰ったクロノクルが同僚から嘲笑されることになる。思い返せば、彼女は家庭でも、ウーウィッグでも、リガ・ミリティアでも居心地の悪い思いをしていた。悲惨なことにザンスカールにおいてもそれは同様だったのだ。

しかし彼女はこの手の侮蔑に対して耐えることを選択する。以前の彼女なら即座に反発しただろうが、ザンスカールで生きていくことを覚悟したらしい彼女は、いつか彼らを見返す日を夢見て耐えるのだ。これは彼女の成長といっていいのかもしれない。エゥーゴに適用しようとしたカミーユ・ビダンのように。

それにしてもピピニーデンによるカテジナの扱いはなかなかひどい。彼は彼女に「お茶を入れる」ように指示する。カテジナザンスカールの捕虜でも召使でもないのだが、彼は「女とは男の身の回りの世話をするもの」だと思い込んでいるのだ。カテジナが目を逸らし返事をしないことに注意して欲しい。さらにピピニーデンはお茶を運んできたカテジナに対して無遠慮な視線を投げかけ、ジロジロと眺め回す。「これがクロノクルの女か」とでも思っているのだろう。この間もカテジナはピピニーデンから目を逸らし続けている。愛想笑いは絶対にしない。これがプライドの高い彼女の精一杯の抵抗なのだ。