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カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

篠原遊馬 ~ロボットに乗れない男の子~

パトレイバー

イングラムを開発、製造した篠原重工の御曹司。そのキャラクター設定はコミックスやOVAなどで多少の揺れ幅を持つが、基本的には以下に集約される。

・父親と仲が悪い
・兄を亡くしている
・メカやパソコンといった技術全般に強い
・斜に構えたひねくれ者
・泉野明に好意をもっている

さて大抵のロボットものであれば、イングラムに搭乗すべきなのは、この篠原重工の御曹司 ー遊馬ー ではないだろうか。鉄人、マジンガーZガンダム。。。いずれも父の作ったロボットを操作する少年の物語だ。だが作者はそうはしなかった。その代わりに泉野明をイングラムに乗せてしまうのである。

何故か。まず単純な事を言えば、青年がロボットに乗って活躍するという設定にリアリティがないからだと思う。では、少女がロボットに乗るのはリアリティがあるのか、と言えば別にない。だが、ゆうきまさみは自身の同人活動の中においてずっとパロディ作品を描いてきたはずだ。パロディというのは、ある意味原作に対する突っ込みで成立する部分がある。それを繰り返してきた作者に、ストレートなロボットものはいまさら描きづらいだろう。

また、ゆうきまさみやサンデー読者は、遊馬に性別や年齢が近い分だけ、逆に彼がイングラムを操って戦う話を信じ切れなかったのではないだろうか。自分があんなに活躍するはずがない。。。おそらく遊馬が活躍した瞬間、読者が彼に感じていた親近感は消し飛んでしまうだろう。そして、そういう読者ほど、遊馬のひねくれ者という設定を身近に感じるはずだ。

しかし、こうした演出上の問題だけが理由ではない。これより、もっとクリティカルな問題を、この篠原遊馬は抱えているのである。