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カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

SSS(シャフト・セキュリティ・システム) ~悪の古典~

パトレイバーが古典的なロボットものであったらと仮定とするならば、このSSSこそ特車二課のライバルに相応しかったのではないだろうか。悪人風な面構え、軍隊に近いコスチューム、暴力に対するためらいのなさ。。。しかし、実際はこのSSSが特車二課のライバルに設定されることはなかった。たしかに、もし、このようなある意味で単純な悪が敵として設定されていたならば、この作品は異なる作品になっていたに違いない。それはおそらく、ガンダム以前にまで後戻りしていただろう。

さて、このSSSが特車二課のライバルとして設定されなかった理由は、以下の2点に集約されるのではないだろうか。

・リアリティがない
・悪の性質が単純すぎる

1点目だが、SSSのメンバーはキャラクターに厚みがなさすぎるのではないだろうか。組織の歯車として上司の命令に従い、淡々とその暴力を振るう彼らの頭の中がどうなっているのか、読者はまったく理解ができない。おそらく作者のゆうきまさみにも想像できないだろう。逆にいえば、これが劇中において女性たちがレイバーに乗らなければならない理由でもある。作者は ー正義のー 暴力をふるう男性たちをリアリティをもって描けなかったのだ。これは仮定だが、もし、第二小隊に太田功のようなメンバーしか集まらなかったら、きっとそれはこのSSSのような組織になっていたのではないだろうか。

2点目だが、企画七課と特車二課 第二小隊はある意味でその欲望 ーロボットに対するフェティッシュー を共有しており、コインの裏と表のような関係だからこそ、そこにはある種の緊張感とドラマが発生していた。だが、SSSはシャフトの下部組織であり、多少の無頼を気取ってはいるものの、単なるサラリーマンにすぎない。SSSに意思や哲学は存在しない。その名が示すように彼らは単なるシステムであり、その頭の中はカラッポなのだ。ゆえに特車二課 第二小隊とSSSの間にはドラマが発生しないのだ。こんな彼らを成敗するのに第二小隊をひっぱり出す必要はない。こんなのは宇宙刑事だのゴレンジャーのような、もっとシンプルな正義に任せておけばいいのである。