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カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

歴史を持たない郊外

ガンダムF91

ロナ家はその歴史的な正統性を強調するために、地域も時代もバラバラで脈絡がない複数の歴史的アイコンを、ごちゃまぜかつでたらめに配して自らの歴史的イメージを作り上げているわけだが、驚くべきことに、そうしたロナ家のジャンクな歴史をフロンティアIVの人々は全体としては好意的に受け入れてしまう。

 

なぜだろう?
彼らは、フロンティアIVの市民なのに。

 

そう、その開拓地という名のとおりフロンティアIVは新興の雑居コロニーである。
言ってみれば、そこは出来たてホヤホヤのニュータウンであり、そこに住む彼らは地方から東京に出てきた新都民みたいなものである。
はっきり言って、歴史なんて彼らにこれっぽっちも関係がない。
むしろ彼らは、自らの歴史をその故郷に捨ててきた人たちだ。

 

だが、たぶんそれこそが理由なのだろう。
UC0091のニュータウンに生きる自分たちが歴史から遠く隔たっていること。
その自覚があったからこそ、人々はロナ家のジャンクな歴史に惹きつけられたのだ。
昭和天皇崩御と即位を目の当たりにした平成の日本人が突如として歴史を語り始めたように。