パトレイバーの時代背景

ここではHIGHLAND VIEWさんとのTwitter上での会話を元ネタに、コミックス版パトレイバーについて、ぽつぽつと書いていきたいと思います。

『機動警察パトレイバー』を中心とした、ゆうきまさみに関するはてしない物語(ツイート群) - Togetterまとめ

 

押井守」のアニメ版、特に「劇場版1」と「P2」の影に隠れる形となってしまった(かもしれない)ゆうきまさみのコミックス版機動警察パトレイバー。しかし当時の少年たちからは、ある一定 の支持を受けていたと思う。そうでなければ単行本で22巻も続かなかったはずだ。しかし、その一方で、その魅力が一体何であったのかについては、あまり語られていない気がする。

そんな訳で、ここらでちょっとコミックス版パトレイバーについて考えてみたい。 

 

時は1980年代後半。今では信じられないことだが、そのころの日本は超好景気だった。株価なんて今の倍くらいあったのである。その理由についてはここでは説明しない。とりあえず、そうだったと思ってほしい。

その当然の帰結として、どこもかしこも人手不足。民間企業の間では新卒の奪い合いが起きていた。内定を出した学生を海外旅行に連れて行き、リゾート地に拘束していたくらいなのだ。また、当時日本のエレクトロニクス産業はそのピークを迎えつつあった。「YMO」の「TOKIO」という曲があるが(検索してください)、そこで歌われていた「テクノポリス東京」というイメージが、当時は、半ば現実のものとなっていたのである。

そしてそんな時代であったからこそ「レイバー」が普及し、それを使った犯罪を取り締まるための、(趣味的な)人型二足歩行レイバーが警察に導入されるという設定には、それなりのリアリティがあったのである。