Type-J9 グリフォン (趣味のレイバー)

グリフォン」は政治のレイバーではなく、経済のレイバーでもない、第3のレイバーである。つまり「趣味のレイバー」だ。

 

このグリフォンはコストパフォーマンスという概念を度外視して開発されている。将来的にはその基礎技術や、開発スタッフが利益を生み出すはずだ、というエクスキューズが与えられてはいるものの、基本的には企画七課、いや内海個人の「おもちゃ」でしかない。

だが、コストパフォーマンスの悪さや趣味性の高さという点からいえば、イングラムもまたこの趣味のレイバーというカテゴリに、その片足を突っ込んでいる。

 

したがって、ある種の「トイ・ストーリー」としてコミックス版パトレイバーをみると、それはイングラムグリフォンという趣味のレイバー(おもちゃ)が同士が争いながら、前者は大人のその存在を承認されることで生き延び、後者はおもちゃの世界に留まり続けることで敗北してゆく物語だと言える。そしてこれは、第二小隊と企画七課の運命そのものでもある。