Vガンダム 22話「宇宙の虎」

ここに到っても、ウッソの戦う動機は「シャクティを探すこと」だ。マーベットとジュンコは、軍人としての自覚が希薄なウッソを叱るのだが、最終的には彼を許してしまう。Vガンダムにおける女性たちは、自分自身でも自覚しているのだが、ウッソに甘い。

その後、ウッソはゴッド・ワルドと再会する。感傷的な別れ方をした前回と違い、今回、彼は「戦士」としてウッソの前に立ちはだかる。「私を倒して一人前の戦士になれ」というのだ。

つまりこの22話の前半は「母性に甘やかされる話」、後半が「父性の厳しさを乗り越えようとする話」だ。

そしてウッソはゴッド・ワルドが死の間際に「ウッソが一人前の戦士になった」と祝福してくれたことを感じる。だが、ウッソは否定的だ。「だからって、結局、兵士同士ならこうなっちゃうんだよ!」

アムロ・レイランバ・ラルを倒すことで戦士に成長したのだが、Vガンダムにおけるウッソは、それを拒否してしまう。ゴッド・ワルドの父性よりも、マーベットやジュンコの母性の方が彼にとっては受け入れやすいものだったのだ。