Vガンダム 35話「母かシャクティか」

過去のガンダム・シリーズの主人公ならとっくに親離れしている頃だが、ウッソは母の存在に拘泥する。しかし実母かシャクティかの二択を迫られ、シャクティを選択する。

穿った見方をすれば、シャクティはミューラからウッソをまんまと奪い取った、と言えなくはないだろうか。彼女が他の女からウッソを奪ったのはこれが初めてではない。シャクティは物語冒頭において、カテジナからウッソを奪っており、その結果としてカテジナはクロノクルの所に走ったのだ。これは逆襲のシャアにおいて、チェーンに邪魔をされてアムロを手に入れられずシャアに走ったクェス・パラヤと全く同じ構図だろう。

小隊長にまで出世したカテジナは実に生き生きとしている。「エネルギーパックも弾薬も人一倍使ってしまう」らしい。彼女はこういう「ドラマチックで派手なこと」がやりたかったのだろう。カテジナは、リガ・ミリティア時代から人の役に立ちたがっていたのだが、その一方で、シャクティやスージー達が担っていた「炊事や洗濯」には全く興味を示していなかった。彼女のやりたいことはそんな地味なことではなく、ウッソのようにMSに乗って「派手に活躍すること」(そしてスポットライトを浴びること)だったのだ。