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カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

Vガンダム 17話 帝国の女王

総集編であると同時に、ザンスカールの正体が明かされる。

 

Vガンダムの放送当時(1993年)、敵が国家や軍隊ではなく、カルト教団であることに対して「リアルではない」という批判があった。だが、その2年後には本当に某カルト教団が毒ガスを散布してしまうのだから、結果としてVガンダムはこれ以上ないくらいにリアルな話だったと言える。

 

しかし、なぜ1990年代(宇宙世紀0153年)にもなってカルトなのか、と言えばそれがたぶん「正しい生き方」というものを提示してくれるからだろう。例えば今から60年ほど前、男たちは逞しく成長して戦場へゆき、女たちは子供を生んで家庭を守ってさえいればそれが間違いのない生き方だったし、その後の時代においても、男たちはモーレツサラリーマンに、女たちは専業主婦に、子供たちはよりよい学校を目指して受験勉強してさえいれば幸せになれた(はずだった)。たぶん80年代なら「おいしい生活」(by糸井重里)だったんじゃないだろうか。

 

だが、90年代のバブル崩壊以後、こうした価値観は全く通用しなくなってしまった。景気が悪ければ「おいしい生活」も成立しなくなり小市民的日常に埋没し続けることも難しくなる。そんな時代に「こうして”さえ”いれば間違わず、正しく生きていける」と教えてくれる、宗教はいろいろと魅力的なのだろう。ここで右翼vs左翼のような分かりやすい政治的対立構造があれば、カテジナもそっちに行ったのだろうが、連邦制が崩壊しつつあるVガンダムの時代(90年代)ではエゥーゴ的な左翼運動がもはや成立しなかったのだ。