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カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

Vガンダム カテジナ・ルース

これまでアップしてきたVガンダムに関するテキストは、基本的には昔(2000年代)に書いたものです。当時は、富野由悠季ファン、その中でもVガンダムのファンは多くありませんでした。それどころか、宇宙世紀の黒歴史=トンデモ作品として扱われていたように…

Vガンダム 51話 天使たちの昇天

カテジナはずっと不甲斐ない男に苛立ってきたし、母性を持った女を憎んできた。強かったはずの男の弱体化と、それを許す女の甘さが、ルース家の家庭崩壊を招き、ひいては宇宙戦国時代という社会の混乱を呼び込んだと信じたのだ。事実、力無き大人達はウッソ…

Vガンダム クロノクル・アシャー

クロノクルは素直で真面目、その上に努力家だ。その持ち前の優等生的器用さで、とりあえず何でもそつなくこなしてしまう。だが社会が混乱すると、その煽りを真っ先に受けるのが、こういった優等生タイプではないだろうか。指示がバラバラの方向から飛んでき…

Vガンダム 50話 憎しみが呼ぶ対決

「クロノクルは私に優しかったんだ!」家庭、ヴーィッグ、リガ・ミリティア。何処にも居場所のないカテジナにとって、ザンスカールとクロノクルだけが巣であり、それさえ手に入れられれば彼女は何処にいたってよかったのだ。しかし、その巣すらシャクティと…

Vガンダム 49話 天使の輪の上で

Vガンダムに登場する男達は徹底的に情けない。たとえばタシロ・ヴァゴ。彼はカガチに反旗を翻す、という男らしいというか、野心家らしい行動には出るものの、軍事力はファラに頼っているし、戦後の統治は女王マリアに任せるという。視聴者は「じゃあ、お前自…

Vガンダム 48話 消える命 咲く命

「いつの間にか戦争に染まりきっているよな」「僕は嫌なんです。人殺しをしているところで大人になるなんて」これらの台詞は過去のガンダムシリーズ、特にファーストガンダムの全否定に近い。戦場という「非日常」で大人になってしまったアムロが、続編のZガ…

Vガンダム 47話 女たちの戦場

ギロチンを押し付けられたファラにしろ、ルペ・シノにしろ、彼女たちは愛した男を取り込んで、殺すことしか知らない。そして、そんな「女」たちを、ここで「母」になりつつあるマーベットが撃退する。この「女」と「母」の違いは、命を「奪う」か「生み出す…

Vガンダム 46話 タシロ反乱

シャクティはタシロ向かって、物怖じすることなく反論し、またクロノクルの拳銃を奪って彼を撃つことまでするのだが、これと同じ光景をガンダムファンは数年後にも見ることになる。そう、∀ガンダムに登場するキエルもまた女王ディアナに代わってムーンレィス…

Vガンダム 45話 幻覚に踊るウッソ

ジャミトフ・ハイマンは連邦制度の引き締めと、ジオンの残党狩りを目的にティターンズを設立。右傾化する社会を憂いたブレックスは、ティターンズに対抗するために、左翼過激派組織エゥーゴを結成。そのエゥーゴの台頭を恐れたバスクはティターンズを極右武…

Vガンダム 44話 愛は光の果てに

個人的な話だが、小学生の頃「風の谷のナウシカ(宮崎駿)」を観て非常に感動したことがある。「ナウシカは心のキレイないい子だなぁ」なんて思ったものだ。ところがつい最近、この作品を見直したところ「オウムより、ナウシカの方が暴走してるじゃん」、「…

Vガンダム 43話 戦場の彗星ファラ

ムバラク将軍に「世界平和より、家庭の平和を守れよ」と嫌味を言われるウッソの父、ハンゲルグ。しかし彼は今更息子にどう接していいのか分かず、いつも突き放した態度でウッソに接してしまう。富野アニメお約束の情けない父親である。 その一方で、ハンゲル…

Vガンダム 42話 鮮血は光の渦に

このエピソードの中心にいるのはルペ・シノだ。パイロットが気楽でいいと、今現在以上の、社会的自己実現を諦めた彼女は、その補償として男を求める。だが身近にいる男(ピピニーデン)はあまりにもつまらない男だった。代わりに彼女は才能に溢れた少年ウッ…

Vガンダム 41話 父の作った戦場

タイトル通り「火消しが火を付けて回っている」。ウッソの父親で「戦争マニア」のハンゲルグ・エヴィンが登場する。後に分かるがこのハンゲルグ、ザンスカール戦争の勝利を確信した直後に息子を見捨てて戦場から逃走、次なる敵を倒すために木星へ向かってし…

Vガンダム 40話 超高空攻撃の下

アムロやカミーユであれば、ホワイトベースやアーガマの雰囲気になれ切っているころだが、ウッソはリーンホースからいったん距離をとって、自分の立ち居地を再確認するためにカサレリアに帰ってくる。過去の主人公たちが故郷を飛び出して「それっきり」だっ…

Vガンダム 39話 光の翼の歌

ウッソたちの前に「立派な大人の男(?)」が立ちはだかる。敵を撃墜することをためらうウッソと、全く躊躇しようとしないマチス大尉のコントラストが印象的だ。迷いを見せている間のウッソは弱く、迷わないマチスは強さを見せるのだが…。 何もかも理解し、…

Vガンダム 38話 北海を炎にそめて

オデロは少々強引にマルチナをデートに誘いだす。もちろん結果は万々歳に終わるのだが、デートしたいがために女の子を戦場に連れてゆくという、この彼の行動はハッキリ言って軽率でかなり危なっかしい。また戦闘においても、彼は少々勇み足気味でイク少佐と…

Vガンダム 37話 逆襲ツインラッド

鯨の屍骸に怯えるマルチナとエリシャに対してシャクティが電波な身体論を炸裂させる。ドゥカー・イクの唐突でエキセントリックな言動も含め、Vガンダム全話中で最もクオリティが(ある意味では)低いエピソードといえる。もし、普通の人がこのエピソード話を…

Vガンダム 36話 母よ大地に帰れ

ミューラ・ミゲルは息子を手放す覚悟を決めたらしいが、ウッソの方はまだ母親に拘っている。そしてそんなウッソを無理矢理母親から引き離すべく、富野はこの36話でとうとうミューラ・ミゲルを殺害してしまう。「キエル嬢のスカートの中に頭を突っ込みたい(…

Vガンダム 35話 母かシャクティか

ここに到っても、ウッソは母親の存在に拘泥する。過去のガンダムシリーズの主人公ならとっくに乳離れしている頃だ(年齢的には当然だが)。しかし、ここでウッソは実母かシャクティかの二択を迫られ、結果としてシャクティを選択することになる。シャクティ…

Vガンダム 34話 巨大ローラー作戦

一年戦争は建前として「弱者」が生き残るための反乱だった。だが、このVガンダムに登場するクロノクルとカテジナは「お坊ちゃん」と「お嬢さん」である。二人とも貧しさとは無縁であり、生き残るために戦う必要なんて全く無いはずだ。そう、世間知らずで頭で…

Vガンダム 33話 海に住む人々

「世界が変わってゆくところを見たい」。カテジナの台詞だ。だが、よく考えてみればウーウィッグ特別区に住むプチブルだったカテジナにはこんな台詞を吐くための切実な理由が無い。彼女の抱える不幸はせいぜい両親の不仲と、友達がいないという程度のことで…

Vガンダム 32話 ドッゴーラ激進

「あんなマシンで本気なんだ!?」ウッソが驚くのも当然で、このエピソードに搭乗するMAドッゴーラは日本昔話に出てくる「竜の子太郎のパロディ」だ。バイク戦艦と同じか、それ以上のトンデモメカで思わず脱力してしまうが、脚本、作画、演出が高いレベルで…

Vガンダム 31話 モトラッド発進

戦争に興じる大人たちを片目に、掃除や炊事について語り合うシャクティとスージーが印象的だ。他の戦争(ロボット)アニメを観ていると、人の生が戦場や革命という「非日常」に全て集約されるように錯覚するが、実際は彼女たちが言うように「人が生きていく…

Vガンダム 30話 母のガンダム

分かりやすい悪人ファッションのザンスカールの秘密警察や、あまりにもあっさり出会ってしまうウッソとミューラ・ミゲルなど、ギャグっぽい描写が多い。だが、そこで描かれるのはグロテスクな母のエゴだ。ミューラ・ミゲルは自分の見たオカルティックな夢ま…

Vガンダム 29話 新しいスーツV2

全編に渡って「テレビまんが」的なノリが漂う。これはVガンのターゲットが低年齢層だった、ということもあるし、富野が宮崎駿の「未来少年コナン」をライバル視していたためでもある。しかし、そうはいっても富野アニメ。ルペ・シノの「恐ろしい拷問」とかマ…

Vガンダム 28話 大脱走

宇宙に舞台を移してからのVガンダムは、バイク戦艦の違和感を打ち消すために様々な複線を用意してきた。だが、それにも限界がある。とうとうこの28話前後から登場人物がVガン世界のカルトっぷりを揶揄するようなギャグを言い始めるのだ。マーベットの「タイ…

Vガンダム カテジナとウッソ

「あなまたが此処までこなければ、こうはならなかった」。カテジナのこの台詞はメチャクチャ言ってるのだが、彼女からすれば自分を追い込んだのはウッソなのだ。ウッソは天才パイロットで、リガミリティアのヒーローだ。また、その素直な性格から誰にでも愛…

Vガンダム 27話 宇宙を走る閃光

シュラク隊のリーダー、ジュンコ・ジュンコがその短い生涯を終える。シュラク隊のメンバーは、彼女を筆頭に仕事にのめり込み過ぎて短命だ。ウッソに言わせると「生き急いでいる」。何故ここまで焦るのか。その理由は、実は彼女たちは今日でいうところの負け…

Vガンダム 26話 マリアとウッソ

女王マリアを人質にとってザンスカールからの脱出を図ったウッソだが、クロノクルに襲われて失敗してしまう。このクロノクルの、実姉マリアの身の安全を無視した行動には少々驚かされる。男としての成長を焦るクロノクルは、実弟としての個人的立場よりも、…

Vガンダム 25話 敵艦と敵地へ

「大尉は変わろうと必死なんだ」。このカテジナの台詞のとおり、今までどことなく頼りないおぼっちゃん風だったクロノクルが「大人の男」として生まれ変わるため必死で努力する姿が描かれる。主人公のウッソと異なり、クロノクルとカテジナは努力と成長の価…

Vガンダム 24話 首都攻防

カテジナがその上昇志向をさらに剥き出しにする。クロノクルに「あなたはどんな野心を抱いているの」と尋ねるシーンがそれだ。彼女はクロノクルの器の大きさを測り始めている。なぜなら、彼女は捕まえた男のランクで自分の価値が決まると思っているからだ。…

Vガンダム 23話 ザンスカール潜入

病気にかかったマルチナを治療するため、ウッソたちはザンスカール本国に潜入する。そしてこの間、リガ・ミリティアとザンスカールの戦いの動向は視聴者には全く分からない。ガンダムを戦記物として観ている視聴者は戸惑うと思う。物語のどこにピントが合っ…

Vガンダム 22話 宇宙の虎

ここにいたっても、ウッソの戦う動機は「シャクティを探すこと」だ。マーベットとジュンコは軍人としての自覚がないウッソを最初は叱るのだが、結局は根負けし、彼がシャクティを探しに出かけることを許可してしまう。Vガンダムにおける女性たちは自分自身で…

Vガンダム 21話 戦略衛星を叩け

これまでに繰り返されたスケールの小さい小競り合いとはうって変わり、ザンスカール、リガ・ミリティアの双方が全力でぶつかりあう。派手なモビルスーツ戦、死力を尽くして戦う兵士たち。過去のガンダムシリーズの中でも比較的力が入った作画と演出で、ロボッ…

Vガンダム 20話 決戦前夜

カイラスギリー艦内でシャクティと出会ったカテジナは、彼女の存在に苛立ちを覚える。シャクティは宇宙漂流していたところをザンスカールの艦艇に救助され、その際の身体検査で女王マリアの娘であることが判明したため、カイラスギリー艦内に保護されていた…

Vガンダム 19話 シャクティを探せ

オデロ・ヘンリークは自他共に認める子供たちの兄貴分だ。そして彼はこの作品中でもっとも男らしさにこだわっている。この19話において、彼はザンスカールの偵察部隊に対して勇敢にも戦いを挑む。ここでの彼の台詞は「女を守るのが男の役目だろ!」だ。だが…

Vガンダム 18話 宇宙艦隊戦

リガ・ミリティアのリーダー、ジン・ジャハナムが父親の消息を知っているのではないかと期待したウッソは彼に面会する。だが、この(偽)ジン・ジャハナムは等身大を通り越して、あまりにも卑小な男だった。ウッソは彼の人間性に深く失望し、苛立つ。マーベ…

Vガンダム 17話 帝国の女王

総集編であると同時に、ザンスカールの正体が明かされる。 Vガンダムの放送当時(1993年)、敵が国家や軍隊ではなく、カルト教団であることに対して「リアルではない」という批判があった。だが、その2年後には本当に某カルト教団が毒ガスを散布してしまうの…

Vガンダム 16話 リーンホース浮上

「主義者というのは、いつの時代も…」 ここで出会うザンスカールの将兵たちは比較的まともな大人なのだが、そんな彼らに、マーベットは「レジスタンスの抵抗運動に子供を利用する、お前たち(リガ・ミリティア)は狂っている」と突っ込まれる。マーベットは…

Vガンダム ファラ・グリフォン

ファラ・グリフォンはガンダムシリーズ中でもかなり魅力的なキャラだ。彼女は初登場時からすでに、レジスタンスの抵抗とラゲーン基地建設の遅延に悩まされているのだが、さらにクロノクルという「偉いさんの身内」の新人研修を押し付けられてしまう。だが、…

Vガンダム 15話 スペースダスト

過去のガンダムシリーズには三国志に登場するような英雄、己の力量一つで乱世を渡るカリスマたちが数多く登場してきた。シャアはもちろん、シロッコやハマーン、マ・クベだってそうだろう。そして彼らの言動の一つ一つはファンを喜ばせ、ガンダムを痛快な娯…

Vガンダム 14話 ジブラルタル攻防

ビルドゥングスロマンのビの字も無い14話。 カテジナたいして並々ならぬ執着心を見せるウッソは、このジブラルタルでとうとう彼女と接触することに成功する。ここでウッソはカテジナが宇宙に行くことを引きとめようとし、それが不可能だと知ると、今度は自分…

Vガンダム 13話 ジブラルタル空域

この13話では、ディスコミュニケーションが元で状況が誰にとっても悪化してしまうという、富野的作劇法の基本が見て取れる。 リガ・ミリティアは事前連絡もなく、政治的に中立のPCST(宇宙引越し公社)の飛行場を使用し、さらにはマスドライバーの使用を要請…

Vガンダム 12話 ギロチンを粉砕せよ

富野作品についての解説を読むと、よく目にするのが「擬似家族」という言葉だ。彼の作品では主人公が家族から離れ、家族的なコミュニティに参加することが多い。ファーストガンダムにおいて、アムロが家族を離れてホワイトベースの仲間たちへと向かったこと…

Vガンダム 11話 シュラク隊の防壁

シナリオ的には特筆することがないようで、よく観れば富野的モチーフに溢れた11話。 この11話において見られる腐敗した地球連邦軍、ウッソとオデロの喧嘩、その喧嘩を見守るシュラク隊、というのは「機能不全の男性社会、男らしさを巡って争う男、そんな男た…

Vガンダム 10話 鮮烈!シュラク隊

シュラク隊の存在は、ガンダムシリーズと現実における男の地位低下を如実に表すものだ。また、これはウッソの周りに憧れや反発の対象となる大人の男がほどんど存在しないことを示している。代わりにいるのはウッソを際限なく甘やかしてしまう母親気取りの女…

Vガンダム 9話 旅立ち

嫌々ながらカサレリアを離れるウッソと、すがすがしい表情でウーウィッグを出て行くカテジナの姿は、非常に対照的だ。ウッソと違い、カテジナには故郷によい思い出が一つも無いのだろう。これは成長しない(できない)ウッソと、成長したいカテジナの明瞭な…

Vガンダム 8話 激闘!波状攻撃

前回7話において、カテジナはザンスカールに合流するのだが、そこもまた彼女の理想郷ではなかった。同じ女であるファラ・グリフォンからは「女は信用できない」と言われ、ピピニーデンには召使い扱いされる。そしてこの8話では直接的にではないが、彼女を連…

Vガンダム 7話 ギロチンの音

ファーストガンダム以後のロボットアニメは、いかにして主人公に戦う理由を与えるかに苦心してきたといっていい。この7話はそういったロボットアニメの苦悩がストレートに表れている回だ。 今どき、いきなり世の中のため人のために立ち上がってしまう熱血少…

Vガンダム 6話 戦士のかがやき

カテジナとオイ・ニュング伯爵がクロノクルに拉致されてしまう。ここで、クロノクルは捕虜としたオイ伯爵とカテジナを非常に丁寧に扱い、さらにはカテジナに悪戯しようとした、同僚を制止する正義感も見せている。カテジナがクロノクルについて行く覚悟を決…