Vガンダム 46話「タシロ反乱」

シャクティは、男たちを叱責し、また、銃を撃つことまでするのだが、これと同じ光景をガンダムファンは数年後にも見ることになる。そう、∀ガンダムに登場するキエルもまた、ディアナに代わってムーンレィスの男達を叱責し、ギンガナムの刀を奪って彼に切りかかろうとしていた。シャクティが、女王マリアに代わってキールームに入ることからも分かるように、この親子の関係は、∀ガンダムにおけるディアナとキエルの関係と全く同じであり、Vガン世界における「グレートマザー」の交代劇なのだ。

「とうの昔に狂っている!」タシロやファラに比べて、カテジナは自らの狂気を自覚している。彼女に言わせれば、それはウッソとシャクティのせいなのだが、個人的には社会に対する彼女のスタンスのせいだと思う。戦場の狂気に染まってでも、社会変革を志すカテジナと、エゴイストと呼ばれよる可能性を引き受けつつも、そんな戦場からは距離を置き続けるウッソ。宇宙世紀0153年において、どちらが正しかったかは言うまでもない。「生きのびる」ために自ら戦場に飛び込んだアムロ的な生き方は、Vガン世界では通用しないのだ。