読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カテジナ日記

Vガンダムと富野由悠季作品

政治のレイバーと経済のレイバー

パトレイバーの世界には ー基本的にはー 2種類のレイバーしか存在しない。政治のレイバーと経済のレイバーだ。

特車二課のパトレイバーは前者に属する。その役割は物事を善と悪、味方と敵に切り分け、その正義を執行することだ。イングラムが警視庁に採用され、桜の代紋をまとっている以上、どうしてもそのような役回りとなってしまうだろう。もちろん自衛隊が採用しているヘルダイバー(99式)も、こうした政治のレイバーに含まれる。

一方、土木作業用レイバーなどは後者の、営利活動に従事する経済のレイバーに属する。

 そしてパトレイバーの世界は、この経済のレイバーであふれ返っている一方、政治のレイバーというのが、実はほとんど登場していない。つまりイングラム=正義のロボットが戦うべき相手=悪のロボットが、ある意味で存在しないのだ。そこ ー1998年の東京ー には、ただ、経済のレイバー ー経済問題ー だけが存在する。

パトレイバーがロボットものであり、かつ警察ものである以上、どこかで正義の問題にぶつかる可能性は高いのだが、前述の理由からイングラムと特車二課はなかなか正義にコミットすることが出来ない。そのため、作者は特車二課とイングラムを一私企業(四菱グループ)の労働争議の現場にまで駆り出してしまう。だが、そこで正義のロボットがやれることは基本的には何もないのである。