Type-J9 グリフォン (趣味のレイバー)

「グリフォン」は政治のレイバーではなく、経済のレイバーでもない、第3のレイバーである。つまり「趣味のレイバー」だ。 このグリフォンはコストパフォーマンスという概念を度外視して開発されている。将来的にはその基礎技術や、開発スタッフが利益を生み…

AVS-98 イングラム・エコノミー (正義の値段)

以前、パトレイバーの世界には「政治のレイバー」と「経済のレイバー」が存在すると書いたのだが、このイングラム・エコノミーはその片足を「経済のレイバー」に突っ込んでい る。正義が安く買えるなら、その方がよいと言うわけだ。 バブル時代という背景も…

シャフト・セキュリティ・システム (悪の古典)

パトレイバーが古典的なロボットものであったのなら、このSSS(シャフト・セキュリティ・システム)こそ特車二課のライバルに相応しかったのではないだろうか。 悪人風な面構え。軍隊に近いコスチューム。暴力に対するためらいのなさ。しかし、実際はこのSSS…

イングラム不正入札疑惑 (父との決別)

以前、遊馬が「イングラムの正統性」、すなわち「父の力の正当性」を疑っているのではないか、と書いたのだが、まさにその憂慮が的中したような事件が起きる。「イングラムの不正入札疑惑」だ。 この疑惑に対し、後藤は「イングラムの出自が多少不確かでも、…

ブロッケン(政治のレイバー)

このわざわざ外国から運んできた軍用レイバー、つまり「政治のレイバー」に、企画七課は環境テロリストのメンバーを乗せてイングラムにぶつける。だが、彼らはイングラムと多少の小競り合いをした程度で十分とし、このブロッケンからあっさりと降りてしまう…

政治のレイバーと経済のレイバー

パトレイバーの世界には ー基本的にはー 2種類のレイバーしか存在しない。政治のレイバーと経済のレイバーだ。 特車二課のパトレイバーは前者に属する。その役割は物事を善と悪、味方と敵に切り分け、その正義を執行することだ。イングラムが警視庁に採用さ…

パトレイバーについて語る

最初にも少し書いたのですが、このコミックス版パトレイバー解説(?)はHIGHLAND VIEWさんとのツイッターでの会話から始まっています。そして作品のキーワードについて少しづつ語ることで、作品の輪郭のようなものが浮かび上がってくることを期待して書かれ…

内海課長(スキゾ・キッズ)

シャフト・エンタープライズ・ジャパン 企画七課の課長であり、後藤喜一隊長のライバル的存在。 ゆうきまさみの前作 「究極超人あ~る」を知らない人には分かりづらいのだが、この内海はその前作に登場する「鳥坂先輩」にそっくりだ。したがってその鳥坂の説…

企画七課 (光画部)

この企画七課を抱えるシャフト・エンタープライズ・ジャパンは巨大コングロマリットであり、かつ 多国籍企業である。その横文字のなんとなくカッコいい会社名や、その女性の脚をモチーフにしたロゴからも分かるように 、昭和臭を引きずる篠原重工や特車二課…

地球防衛軍(エコ左翼)

いわゆる環境左派(エコ左翼)と呼ばれる人々。その母体となった「マルクス主義」やらやら「新左翼」についてはネットで検索してもらえばいいと思う。何にせよ、この地球防衛軍はそんなかつての新左翼のなれの果てだ。 彼らが環境保護運動にコミットしている…

榊清太郎 (昭和の男)

整備班のメンバーとしては、アニメ版ならシバ シゲオが存在感を持つのだが、コミックス版では榊清太郎について語ればよいと思う。父権的な男性が、あまり登場しないパトレイバーにおいては珍しい、親方気質の初老の男性である。いつも怒っている印象があるが…

特車二課 第一小隊(女性が率いる部隊)

いわゆる「まとも」な警察官たちであり、また実務においても有能と見做されている。したがって、アニメ版においても、また、今解説しようとしているコミックス版においても特車二課の第一小隊と第二小隊は、その性格が全く異なる対照的な部隊として描かれて…

後藤喜一(文化部の顧問)

コミックス版においては、よく指摘されるように学校の先生的(というより文化部の顧問的)立場として振舞うことが多い。彼のやっていることの半分(以上)は、部隊内の人間関係の調整と、モチベーションの管理である。熱血指導もしなければ、先頭に立って部…

香貫花・クランシー (女・太田功)

アニメ版からの逆輸入される形で、コミックス版に登場したのだが、作者のゆうきまさみは、この香貫花の取り扱いに困ったという。その理由は何となく分かる。なぜならアニメ版における香貫花は、言ってみれば女性版 太田功だからだ。 彼女をアニメ版のキャラ…

熊耳武緒(学級委員長)

彼女自身が自己申告してしまうのだが、ドラマのポジション的には学級委員長である。劇中における彼女の役割は、主に以下に集約される。 ・太田のコントロール・学級委員長・内海とのギミック(ラストの伏線) そういう意味では、徹頭徹尾「設計されたキャラ…

山崎ひろみ (元祖草食系)

いわゆる草食系男子の走りだったのかもしれない。この彼もまたイングラムに搭乗することはない。ストーリー上はその大きすぎる体格のためにレイバー乗りには向いていないような事を言われていたが、そうではないように思う。問題は彼の性格だ。 レイバーに乗…

進士幹泰(家庭人)

彼の特徴は第二小隊唯一の妻帯者であること。そしてそれを太田功にいじられ続けていることである。しかし太田の態度には、恋愛や結婚に対する屈折した憧れが含まれている気がしなくもないし、それは作者にとっても同様ではなかったか。 変人の多い(?)第二…

太田功(暴走する正義の男)

繊細な(?)「サンデー男子」の感性とは相いれない、ジャンプ・マガジン的感性の持ち主として描かれる太田功。彼の存在意義のその半分は、遊馬や野明を引き立てることである。つまり考える遊馬や感じる野明に対して、考えないし感じない「脳筋男」というも…

AV-98 イングラム(父の力)

リアリティーの問題を離れた場合でも、篠原遊馬はイングラムに搭乗することができない。何故か?それはおそらく、遊馬がイングラム、すなわち「父の力」を否定しているからだ。 この彼の父親への否定的な感情は、直接的には彼の兄の死(自殺?)に関係がある…

篠原遊馬(ロボットに乗れない男の子)

大抵のロボットものであれば、イングラムに搭乗すべきなのは、この篠原重工の御曹司 ー遊馬ー ではないだろうか。鉄人28号、マジンガーZ、ガンダム、エトセトラ。いずれも父の作ったロボットを操作する少年の物語だ。だが作者はそうはしなかった。その代わり…

泉野明(少年少女)

半分は少年として描かれていると言っていいと思う。体育会系でレイバーオタク……劇中の描写を見ても、wikipediaのまとめを見てもそうである。 そんな彼女持つのは、第二小隊の男たちにはない元気(太田功を除く)とピュアさであり、彼女が持たないのは、男の…

労働者たち(3K労働)

劇中における「レイバー」の扱いというのは、早い話が高性能の「重機」である。したがって、物語初期、というか物語全般において一般的なレイバー犯罪を犯すのは、いわゆる「建設作業員」が多い。時代背景を考えると、これはかなり自然な設定だ。なぜならバ…

特車二課 第二小隊(バブルからの疎外)

アニメ版もコミックス版も、そのドラマの舞台となるのは特車二課だ。そう、あのとっても楽しい特車二課である。あまりにも楽しいので、そのままスッと物語の世界に入れてしまうのだが、しかし、ここで余計な解説を加えてみたいと思う。 前回述べたように、こ…

パトレイバーの時代背景

ここではHIGHLAND VIEWさんとのTwitter上での会話を元ネタに、コミックス版パトレイバーについて、ぽつぽつと書いていきたいと思います。 『機動警察パトレイバー』を中心とした、ゆうきまさみに関するはてしない物語(ツイート群) - Togetterまとめ 「押井…

Vガンダム 10話「鮮烈!シュラク隊」

シュラク隊の存在はガンダム・シリーズにおける男の地位低下を意味している。ウッソの周りには、憧れや反発の対象となる「大人の男」がほどんど存在しない。その代わりに存在するのはウッソを際限なく甘やかしてしまう「母親気取りの女戦士」だけだ。 もちろ…

Vガンダム 9話「旅立ち」

生まれ故郷を嫌々ながら離れるウッソと、清々しい表情で出て行くカテジナ。彼女には故郷についてのよい思い出が無いのだろう。 これは成長しない(できない)ウッソと、成長したいカテジナの差が表れた瞬間でもある。過去のガンダムシリーズの主人公が全員「…

Vガンダム 8話「激闘!波状攻撃」

カテジナはザンスカールに合流したが、そこもまた彼女の理想郷ではなかった。ファラ・グリフォンからは「女は信用できない」と言われ、ピピニーデンからは召使い扱いされる。そしてこの8話では彼女を連れて帰ったクロノクルが同僚から嘲笑されることになる。…

Vガンダム 7話「ギロチンの音」

ファート・ガンダム以降、ロボットアニメは「どうやって、主人公に戦う理由を与えるか」という問題に苦心してきた。この7話はそういった「ロボットアニメの苦悩」がストレートに表れている回だ。 今どき、いきなり世ため人のために立ち上がってしまう熱血少…

Vガンダム 6話「戦士のかがやき」

クロノクルは、捕虜になったカテジナを丁寧に扱う。礼儀正しく正義感のある男なのだ。この瞬間、カテジナはクロノクルについて行くこと決める。今まで汚れた大人ばかりを目にしてきた彼女にとって、彼は高潔な白馬の騎士だったのだろう。事実、彼はザンスカ…

Vガンダム 5話「ゴッゾーラの反撃」

カテジナが大人社会への苛立ちを爆発させる。彼女の「子供を戦争に巻き込むな」という言い分は理屈の上では正しい。ただあの状況下であえて言うべきことだっただろうか。理屈が先走っている彼女には目の前の現実が見えない。いや、見えているのだがそれを受…